
旅をしていてなにより嬉しいのは、その地で流れる日常に触れたとき。それが食だったら個人的にはなおのこと嬉しくて、毎回新しい場所を訪れるたびに、お土産屋さんはもちろん、出来る限りまちなかで店を構える小さめのスーパーにも寄るようにしています。そこでは、かなりの確率で地元の会社が作った、地元で長く愛されてきたお菓子に出会う事ができるのです。しかし、今回の出会いはもっともっとさりげないものでした。
ご紹介したいのは高知県のきしまめ茶。

お茶というと誰もが知る定番のものから、果てしなく深い薬草系までさまざまな種類があるけれど、実はこちらはド定番。といっても高知限定。出会いは、高知に訪れた際に連れて行ってもらった定食屋さんでのことでした。テーブルごとに置かれた家庭用ポットからお茶を汲み、一口。それが「おいしい!」香ばしくて味わい深くて、すぐに飲み干し、もう一杯。ほんのりのこる甘さが後を引くのです。すると、その様子を見ていた高知の方が「ああ、きしまめ茶ね」「きしまめ茶?なんですか?」「その名のとおり、そのへんの川岸に生えとる豆のお茶や」そう、事も無げに教えてくれました。カワラケツメイという豆科の植物を乾燥させたきしまめ茶。どうしても買って帰りたいという私にその方はまたさらりと一言「日曜市行ったら袋にたっぷり入って100円で売っとるわ」その言葉にびっくり。100円!?
ここで少し説明。日曜市とは、毎週日曜日に高知市内のメインストリートを2車線占拠して堂々と開かれる市のことで、全長約1.3キロの間におよそ5000軒が並ぶ土佐の日曜市は、地元の人はもちろん多くの観光客で賑わうのです。

その日は土曜日で、私たちもせっかく高知県に来たのだからと、もちろん日曜市には寄るつもりだったけれど、思わぬ目的が出来ました。そして次の朝早く、訪れてみると、探すまでもなくすぐさま発見。しかも、きしまめ茶はもちろん、番茶やはぶ茶など様々なお茶とのブレンド茶も並んでいます。しかも、どれもたっぷり入って安い。まさに日常遣いのお茶なのです。もちろん買って帰った私は今、我が家で楽しむ毎日だったのですが、あんまり日常遣いするもんだから、のこりもわずかとなってしまいました。高知といえば鰹。その美味しい季節、初鰹を楽しめるうちに再訪せねば、とスケジュール表とにらめっこです。



















